……イギリスの児童遊園にはオンボロの自動車が置いてあるそうだ。子供に機械技術への興味を刺激するためである。日本でも、科学教育振興がやかましいおりから、まねしてみたらどうか、といいたいところだが、これは、たちまちスクラップ屋のエジキになるだけだろう。
『朝日新聞』、1958年09月04日、朝刊、10面
「がらくた」「スクラップ」ということばに時代を感じる。
じつは大田区、羽田に近い京急空港線大鳥居駅の近くに、このような「オンボロの自動車」を配した萩中公園という公園がある。その名もがらくた公園にはトラックやブルドーザー、消防車、蒸気機関車などが配置されている。いずれも自由に出入りでき、子供達はまるでジャングルジムで遊ぶかのように、自在に上り下りしている。
自由に遊べると言うことは、それだけ痛みも激しい。細かい部品はなくなり、蒸気機関車を除くとどれも「骨ばかり」のこされている悲惨な状態である。それでも子供達は楽しそうだから、大人の感傷とはまたちがう論理があるのだろう。
| haginaka | jul. 2005 |
写真奥のバスも都電もかなり状態が悪かった。そして、この写真を撮影した翌年にはついに解体撤去されてしまった。「スクラップ屋のエジキ」になってしまったのだろうか。いまでは都電が置かれていた線路のみがあの場所に残っている。バスの痕跡はない。
萩中公園
桜、梅やけやきなど多くの樹木が植えられています。公園内には交通公園があり自転車の練習をする幼児や小学生でにぎわっています。
使わなくなった船、消防車及びトラックなどがあるがらくた公園があり幼児に好評です。
大田区ホームページ:萩中公園(2009年9月13日取得)
→http://www.city.ota.tokyo.jp/midokoro/park/haginakakouen/index.html
がらくた公園
萩中公園内の、現役を引退した船や車を置いてあるコーナーです。トラック、ジープ、消防車、ブルドーザーなどがあります。また、イギリス製の四輪連結テンダー蒸気機関車(形式略号B-3)と炭水車が置いてあります。
大田区ホームページ:がらくた公園(2009年9月13日取得)
→http://www.city.ota.tokyo.jp/midokoro/park/garakutakouen/index.html
Google mapで上空から。まだ都電もバスも残っている。
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