2012年5月31日木曜日

水飲み場:神奈川県立近代美術館:鎌倉


| kamakura | may 2012 |

これまでに何度この水飲み場について書いたことでしょうか(→ click!)。


| kamakura | may 2012 |

いいかげん、新しい言葉が見つからなくなってきました。

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6月10日まで、石元泰博写真展開催中。


| kamakura | may 2012 |

石元の捉えたモダンな《桂離宮》を、坂倉準三のモダニズム建築《神奈川県立近代美術館鎌倉館》で見る。ああ、今回はモノクロで撮らなくては、という気分になったわけです。








2012年5月20日日曜日

鎌倉・日進堂

日進堂は、鎌倉・大町のパン屋さん。
食べログにも項目のある、地元では有名なパン屋さんのようです。

5月はじめに、お店の前をバスで通りがかったときに見かけて気になっていたのですが、その日は戻ることができず、後日改めて訪問。なにが引っかかったかというと、お店の名前のローマ字表記。読めなかったのです。


| kamakura | may 2012 |

N I S S N I N BREAD?
FRESH N I H S S I N BREAD?


| kamakura | may 2012 |

赤い屋根の文字は……まあ間違い。
それはさておき、屋根の下のアクリル看板の文字は、[S S H]となるべきパネルを上下逆さに取り付けたのではないか、というのが私の想像ですが、真相は如何に。

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食べログの評判は上々。
この日、あんパンとリンゴパンを買いました。
個包装はオリジナル。筒状のビニル袋にパンを入れて、両端を圧着・カットしているようです。


| kamakura | may 2012 |

おいしかったですよ。

袋に印刷されたローマ字は「NISSHIN' PAN」。
BREADじゃなくて、PANです。
TSのマークはなんでしょう?


| kamakura | may 2012 |

社長が「田村総一郎」さんと言う名前らしい(→ SHONAN P.M.)。
「Tamura Soichiro」で、「TS」なのかしらん。

20130315追記

謎は解決しました。

2012年5月15日火曜日

公園遊具:恵比寿東公園のタコ山の現在

5月12日の恵比寿東公園です。

いつのまにか、全園開園していたようです。


| ebisu | may 2012 |

人が通らない場所の芝生は育っていましたが、


| ebisu | may 2012 |

結局、タコのまわりの芝生は育たないようですね。


| ebisu | may 2012 |


それよりも気になったのは、やたらと「注文の多い公園」になっていたことです。

「ペットを連れて入園できません」。


| ebisu | may 2012 |

「児童遊園について」。


| ebisu | may 2012 |

「おしらせ」と「禁煙」。


| ebisu | may 2012 |

「雨の日 立入禁止」。


| ebisu | may 2012 |

「遊具利用注意のお知らせ」。


| ebisu | may 2012 |

「4つの禁止事項があります」


| ebisu | may 2012 |

この広場での4つの禁止事項を厳守して下さい。

① 喫煙禁止します
② 犬・猫等ペットの入園禁止します
③ 自転車・ベビーカーの芝生内の乗り入れを禁止します
④ ハイヒールを履き芝生に入ることを禁止します


| ebisu | may 2012 |

しかも同じ内容の看板が至るところにあります。
内容自体はもっともなことばかりなのですが、ねぇ。

2012年5月11日金曜日

神経腦病の新配劑 快腦丸

「頭腦の不完全なる者は馬鹿であります」のキャッチコピーで有名(らしい)《快腦丸》ですが、新聞記事データベースで検索する限り、このコピーを用いた広告は1件しかヒットしませんでした。ではほかにどのような広告が掲出されていたのでしょうか。「馬鹿であります」前後の広告4つを時系列に並べてみましょう。

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最初は滝の絵。
明治31(1898)年の広告です。


『朝日新聞』明治31(1898)年9月25日、7頁。

神経腦病の新配劑
快腦丸[くわいのうぐわん]
燒[やく]が如き夏の日に綠なす木蔭に千丈の瀧を見上て忽ち暑さを忘るゝが如く永年の腦病も忽ち治して精神涼しくなるの良劑[くすり]なり腦充血腦膜炎を初め頭痛[づつう]眩暈[めまひ]逆上[のぼせ]等の輕きは直[ただち]に全治す

滝を見て暑さを忘れるように、《快脳丸》を服用すると精神が涼しくなる、ということのようです。

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続いて、《健脳丸》のマークにも似たシルエット。
明治32(1899)年のものです。


『朝日新聞』明治32(1899)年1月17日、3頁。

神経脳病之藥
快[くわい]腦[のう]丸[ぐわん]
本劑[このくすり]は腦充血、腦膜炎、神經痛、脊髄病、頭痛、逆上、眩暈、耳鳴、頭手足のしびれひきつり等を全治[なほ]す

とくに面白いコピーでもなく、淡々と適応症を述べているだけですね。

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明治32(1899)年2月。
「馬鹿であります」。


『朝日新聞』明治32(1899)年2月13日、7頁。

これについては先のエントリで記したとおりです。強烈なコピーですね。

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そして最後はなぜか上野の西郷さん。


『朝日新聞』明治32(1899)年4月24日、8頁。

腦病者の紀念
古今[こゝん]の神法[しんぱふ]にて從來[これまで]腦病神經病を始め頭痛[づゝう]、逆上[のぼせ]、癲癇[てん]、耳鳴[みゝなり]、不眠症[ねむいれず]、顔手足志びれひきつり等の人を數多[あまた]全治[なほ]し其能力を敏活[びんわん]ならしめし良剤[よきくすり]
快腦丸[くわいのうぐわん]

なぜ西郷さん? なぜ「腦病者の紀念」?

というわけで、意外にふつう。少なくとも新聞紙上では、あの強烈なコピーが繰り返し使われていたわけではなさそうです。

さて、《快脳丸》を発売していたのは《脳丸》と同じ山崎帝国堂です。《快脳丸》の広告はこれ以降検索にヒットせず。おそらく山崎帝国堂の商品が《脳丸》にシフトしたのではないかと思われます。

※ もちろん、検索ワードにひっかからなかっただけ、という可能性も大いにあります。正確なことをいうには、縮刷版を丁寧に見てみないといけませんね。

2012年5月9日水曜日

頭腦の不完全なる者は馬鹿であります

頭脳の不完全なるものは馬鹿であります

調べちゃったじゃないですか。
※前エントリ・コメント欄参照。

《健腦丸》《快腦丸》、ただの《腦丸》、その進化形の《ノーガン》、濁点が取れた《ノーカン》と、脳の薬はいろいろあったようです。そのうち、標題のコピーは《快腦丸》のものでした。


『朝日新聞』明治31(1898)年2月13日、7頁。

頭腦の不完全なる者は馬鹿であります
文字面だけをみると、おそろしく刺激的なキャッチコピー。
でも、ふりがなと合わせて読むと、けっこう妥当なことを言っているようにも読めます。以下、書き下し。


頭腦[のうずい]の不完全[よからぬ]なる者は馬鹿であります

言[こと]は過大[すぎし]に似たれども第一腦髄[のうずい]健全[たしか]ならざれば、記憶に踈く判斷力に乏く事に耐るの根氣なし豊[なんと]馬鹿[ばか]痴鈍[たはけ]と云[いふ]も無理ならざるべし今の世は腦力を要[もちい]する事多し故に復[また]腦病を患[うれ]ふる人多し茲[こゝ]に紹介[おしへ]する快腦丸は元來[もと]名醫[めいゝ]の處方にして數多の人を全治し其効[そのかう]實に偉大[おほい]なり○少しの事務[つとめ]を掌[と]るに當り忽ち頭脳に痛みを覺へ何事も倦み易く人と應接[はなし]するも氣踈く又は夜眠れず瑣細[すこし]の事も気に懸る等總て神經系病腦病脊髄病より起る諸症頭痛逆上[のぼせ]眩暈[めまひ]耳鳴[みゝなり]等を全治[なほ]し腦力をして益々强壯[つよくさかん]ならしむる古今の良劑[よきくすり]なり


まず、「頭脳」と書いていますがこれを「のうずい」と読ませ、本文でも「脳髄」と書いています。
辞書では「脳髄」は「脳」に同じとありますが、ここで「脳髄」が具体的に何を指しているのかは不明。でも、その「脳髄」が健全でなければ、記憶力が悪く、判断力に乏しく、根気も出ない。それでは、バカとかタワケといわれてもしかたがないだろう、ということです。
今日、「脳力」を用いる機会が多いが、他方で「脳病」を患うものも多いので、《快腦丸》をお勧めするという次第。

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では、《腦丸》の広告。
こちらは商標が強烈。


『朝日新聞』明治38(1905)年1月1日、5頁。

廿世紀の優等新藥
腦病全治保証藥

腦病の症候

非常出来事の為腦神経を過度に労し或は大酒喫煙房事過度又は打撲傷等に起因し頭重く或は眩暈嘔吐を催し顔色蒼白、記憶力缺乏、精力薄弱、心身疲労、神經過敏物に驚ろき不眠症を起し氣鬱、痙攣、逆上、便秘、脊髄痛み、遺精早漏、耳鳴等種々の症候を來し重症に陥る時は、脳充血、中風俗によいよいと稱して言語不調、四肢不自由となり遂には恐るべき卒中を起こす事あり、飲酒家及身體肥満者等は警戒怠るべからざるなり
◎のうぐわんを用ゆれば前記諸病を全治する事請合いなり

便秘にも遺精早漏にも効くのですから、なんでもありですね。そもそも脳に関係しているのでしょうか。


『朝日新聞』明治39(1906)年4月20日、5頁。

志んけい衰弱
のう病を全治す
帝國腦病院長齋藤先生御方剤
腦丸を用れば腦神經を健全ならしめ逆上を鎭め通じ快く精神快活に記憶力を増し卒中中風を防ぐ

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「便秘にも効く」と書きましたが、《健腦丸》は《健のう丸》と名前を変えて、現在でも便秘薬として売られているようです。もっとも緩和される症状として「頭重、のぼせ、肌荒れ、吹出物、食欲不振(食欲減退)、腹部膨満、腸内異常発酵、痔」とありますから、明治の頃とそれほど変わらないという印象を受けます。明治の広告で謳われていた諸症状も原因は脳ではなく、便秘のためだったということでしょうか。

2012年5月7日月曜日

りん病の恐るべき事を社會に紹介せん



『朝日新聞』明治39(1906)年5月1日、7頁。

醫學博士新發見藥
一回一丸服用効能著る

登録商標
淋 丸
(りんびようせうかち)
りん病消渇
(みまわりできつとなをる)
三週必治藥

※ 消渇(しょうかち)とは、婦人の淋病のこと。
糖尿病を指す場合もある。

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新宿伊勢丹で開催されていた「日本繁昌大展覧会──チャリティ広告展」で北原照久氏の広告コレクションを見て、いにしえの広告の力強さ(どぎつさ、えげつなさ、ともいう)に、改めて心打たれました。

別件で調べていた新聞で見つけた《淋丸》の広告も強烈。
イラストの紳士の周囲には、これでもかというほどの説明文。
最初に「恐るべき理由」が5つあげられています。

(一)りん病は傳染病である
(二)りん病は睾丸炎及び膀胱炎と云ふ恐るべき病を起す基である
(三)りん病は子宮病及び卵巣炎を起す基である
(四)りん病は膿漏眼と云ふて人を盲目にする病の基である
(五)りん病は不妊娠の基である

ひとしきり人びとの恐怖心を煽ったあとは、商品の効能を訴える。
基本中の基本です。




日本繁昌大展覧会──チャリティ広告展
2012/04/04~2012/04/09
新宿伊勢丹

日本繁昌大展覧会──チャリティ広告展
artscapeレビュー/プレビュー



2012年5月4日金曜日

漢数字の2の謎、あるいはゴシック体の悲劇

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以前、『Business Media 誠』で、「あなたのコンビニ、コンビ“二”じゃないですか?」という記事を読みました。カタカナの「」が、なぜか漢数字の「」になっているという指摘です。ウェブブラウザがサンセリフ書体(日本語ではゴシック体)をデフォルトにしているので、誤りが見過ごされていたのでしょう。それはしかたがありません。でもなぜ「コンビ」が「コンビ」に変換されてしまうのか。その仕組みについては、どうもよく分かりません。

たとえば、「プリン」と入力しようとして「プリン」と、「リス」と入力しようとして「リス」となるのは分かるのです。名詞+助詞ですので。

でも、なぜ「コンビ」+「」になるのでしょう。

記事で指摘されていた某銀行のサイトには、まだ「2」が残っていますね。

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で、先日別のウェブ記事を読んでいたら、「イソガ二」なんて例を発見してしまったわけです。

イギリスの標準的なイソガ二の100倍大きいこのClaudeは、イギリスで展示されているカニのなかで最大の大きさを誇る。

前部にあるハサミを広げた場合、イソガ二のハサミの全長は約9cmなのに対し、Claudeのハサミの全長は約91cm以上になる見込み。

海のモンスターを捕獲! 体重約7キロで甲羅が約38センチの「超巨大ガニ」 | ロケットニュース24(2012年5月2日閲覧)

どういう訳か、この記事中、漢数字になっているのは「イソガニ」だけ。
「カニ」は他にも出てくるんですけれどもね。

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ひょっとして「カニ」系には他にも「」があるんじゃないか。
と思って検索したら、はたしてそのとおりでした。

巨大タカアシガ二が入荷!!したがに・・
みなさ~ん巨大タカアシガ二が入荷したよ

ライライファンシンファ(2012年5月2日閲覧)

【堅】毛ガ二2尾入800g~900g

【堅】毛ガ二2尾入800g~900g北海道産(活毛がに)北海道直送【 カニのデパート かなはし水産 - Yahoo!ショッピング(2012年5月4日閲覧)

上のサイトなんて、テキストが明朝体で画像化されているんですけど、そこにも「」があるんです。(カニ食べたくなってきた……)

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「カニ」だけではありませんでした。他にもいろいろ。

活アワビづくしVS活ウ二づくし

料理旅館平成のプランの詳細情報 - Yahoo!トラベル - 国内宿泊予約(2012年5月4日閲覧)

ウ二クリームソース」とか「馬糞ウ二」とか。(ウニ食べたくなってきた……)

二ク二浅井戸ポンプ発売。渦流ポンプメーカー二ク二の誕生
二ク二大ヒット作「二ク二カテ-ポンプ」発売

沿革|株式会社ニクニ(2012年5月4日閲覧)

社名の由来が「二国機械工業」とはいえ、自社名を間違えちゃいかんでしょう。(ポンプ買いたくなって……)

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まだまだあります。

オ二キス・スカルネックレス」とか、「オ二は外」とか。

タ二タTANITA デジタルクッキングスケール」「タ二タTANITA デジタルヘルスメーター」。
どうしたら「タ2タ」と変換されるのでしょう。

まさかとは思いましたが、「モーリス・ド二」、「アメデオ・モディリアー二」、「ジョヴァンニ・セガンティー二」、「プッチー二」、「フェデリコ・フェリー二」、「エンポリオ・アルマー二」もありました。

ワ二園からワ二が逃げ出す」、「ダ二エル・マン・ジョンソン アンド メンデンホール設計事務所」、「ミケランジェロ・アント二オー二」、「二ジンスキー」「クロ二クル」、「サ二ーサイド」、「マカロ二グラタン」、「キャ二オ二ング」、「二ーナとうさぎと魔法の戦車」……。「」となるのは単語の末尾とは限らないのです。ますます謎です。

ポ二ーテール、「今」と「昔」
ポ二ーテールというと、フィフティーズファッションだったり、青春のシンボルだったり、「振り向かな」かったり、何かと「昔」なイメージが強いが、実はいまもまだまだ健在である。

ポ二ーテール、「今」と「昔」(Excite Bit コネタ) - エキサイトニュース (2012年5月4日閲覧)

iTunesの曲の中にも「ポ二ーテールとシュシュ」というタイトルがありましたし……。

とまあ、検索しているとキリがありません。

なお、他人の変換ミスを嗤っているのではなく、なぜこのような妙な変換がされてしまうのか謎、というのが本エントリの趣旨ですので念のため。個人ブログではともかく、企業サイトづくりでは気を付けたいポイントですね。

グーグル先生はこのような変換ミスは想定の内のようで、いずれも「もしかして……」と候補を表示してくれます。

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逆もあるのです。


二種」が「ニ種」になるのは、まあ読みが一緒だからミスの範囲でいいでしょう。

でもなんですか、「不ニ家ミルキーコーン」って。

※ ちょこちょこ事例追加。タイトル修正。
※ フォントタグをいろいろいじっているのですが、IEでは明朝体表示ができません。というわけで、問題の根源は勝手にサンセリフ書体で表示してしまうIE? タイトルは「Internet Explorerの悲劇」としてもよいかも……。