宇野亜喜良(1934年〜)によるイラストレーションのポスター。
庭園美術館の「20世紀のポスター[タイポグラフィ]」展とは対極的な表現です。
会場では宇野亜喜良氏に柏木博氏がインタビューしたビデオ(DNP制作)が流されています。
印象に残ったのは、宇野氏が自分はデザイナーである、と述べていた点。
絵本や挿絵の仕事が多いですし、ポスター作品もイラストが大きな比重を占めていますので、イラストレーターという呼び名でもよいような気がしますが、デザイナー。
ビデオでご本人が強調されていたのは、イラストを描くにあっても、それが画面のなかでどのように配置されるのか、全体の構成を考えながら描いているという点です。その言葉をふまえて改めて作品をみると、確かにその構成力のすばらしさに驚嘆させられます。描き文字もすばらしい。
昨年秋には刈谷市美術館(愛知県)で宇野亜喜良の大きな展覧会が開催されたそうです。知らなかった。巡回なし。図録も売り切れているとのことでとても残念です。
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ウチにある宇野亜喜良装幀作品。
今江祥智『きょうも猫日和』マガジンハウス、1991年10月。
60年代のサイケデリックなポスターとは趣が異なり、表紙、挿画と、とてもやわらかい、やさしいタッチです。
宇野さんはネコが好きなのでしょうか。
タイトルをいくつか並べてみたら、漫画みたいになってしまいました……
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