まわりを一周してみます。
天面にはお椀を伏せたようなカタチのモノが。
お椀と言うよりは乳房ですね。
ここから水が出るとすると、なかなかステキ。
でも飲むとなると赤面しそう(考えすぎだ)。
乳房の付け根にはスリットが開いていますので、そこから排水するのでしょう。
でも、どこにもコックがありません。
現役時には、水はずっと出たままだったのでしょうか。
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境内の別の場所でおなじオブジェを発見。
こちらはお椀がなくなっています。
お椀の下はこんな感じになっているのですね。
真ん中が水道栓、右側が排水孔、上下の小さな穴は取付穴でしょうか。
背面には「昭和拾一年 靖國神社興行人一同」と彫られています。
よく磨かれているのか、そこまで古さを感じなかったのでびっくりしました。
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靖國神社興行人一同で思い出したのはこちらの絵。
東山新吉が昭和4年(1929年)に描いた靖国神社境内での祭礼の様子。
拡大図。正面には「大曲馬團」の看板が掲げられ、手前には控えの、幕の内側には駆ける馬が見えます。
こうしたお祭りの興行主たちがこの水飲みを寄進したのではないかと想像するわけです。
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東山新吉とは、東山魁夷のこと。上の絵は東京美術学校日本画科四年次の作品だそうです。
東山新吉は、同じ題材で子供向けの雑誌にふたつの挿絵を描いています。
『コドモノクニ』では、大曲馬団がサーカスになり、象が加えられています。
『少年倶楽部』の挿絵でも、もう少し小規模なサーカスの小屋。
東山魁夷の作品はもとから好きだったのですが、彼が描いた童画を知ってもっと好きになりました。とにかく絵がうまい。
靖国神社のみたままつりでは現在でも見世物小屋とお化け屋敷が出ているということを知りました。見世物小屋。ワクワクする響きですね。次の機会には行ってみようかしらん。
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