そして、入り口の右手壁にある水飲み場。
その水栓がとても不思議なカタチをしていることはすでに書きました(→こちら)。
これが汐留ミュージアムで開催されている白井晟一展に出品されている蛇口の石膏模型に似ている。それを確かめに汐留と渋谷をそれぞれ再訪してしまったというわけです。
展覧会会場は撮影不可ですので、へたくそなスケッチ(図録に写真が収録されていないのです)。
同じカタチのものでした。
ただし、展覧会に出品されていたものは、前橋の書店「煥乎堂(かんこどう)」のためのもの。キャプションには「蛇口のマケット、煥乎堂、1954年」とあります。石膏には松濤と同じ「PVRO DE FONTE」の文字のほか、「1954」という年号が刻まれています。
煥乎堂にどのような水栓が用いられていたのか、白井展に出品されていた写真ではよく分かりません。
図面に描かれているのは普通の手洗い水栓です(↓)。だだし、「水栓(蛇口)ハブロンズ鋳造彫刻型トシ其ノ形状及寸法ハ別ニ指示スル」とあります。
* * *
さて、「PVRO DE FONTE」はおそらく「Water Fountain」。
ということは、手洗いではなく、水飲みだと思います。
(→ 追記参照)
書体は古代ローマの碑文に用いられていたものに似ており、「Trajan」という書体がこれに近いです。
白井晟一は原爆堂のプレートなどにも同じ書体を使用しています。
2013.2追記
Trajanについて ☞ ローマの歴史ある曲線美に酔いしれろっ...!!英文フォント「Trajan」の魅力 #LOVEFONT | クリエイティブメモメモ
Trajanについて ☞ ローマの歴史ある曲線美に酔いしれろっ...!!英文フォント「Trajan」の魅力 #LOVEFONT | クリエイティブメモメモ
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2月半ばに松濤美術館を訪ねたおりに、受付で表の水飲み場について尋ねたところ、すぐに学芸員さんを呼んでくれました。学芸員さんによれば、これは水飲みと思われる。使いかたはよくわからない。少なくともこの10年は機能していない、ということでした。
つづきます。
→こちら
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20120222追記
以下のサイトによると、煥乎堂の現在の建物に白井が設計した当時の手洗いが移設されているそうです。
また、「PVRO DE FONTE」は「知識湧き出す泉」とあります。
Google翻訳のラテン語では「PVRO」の訳が出ません。
とりあえず参考まで。
昨日、興味深いサイトを発見しました。
返信削除ブログ主様にもと思い、お知らせ致します。(既知でしたら失礼)
あの頃は、全て手描きなんですよね。
「白井先生の許でひたすら字を書いていた・・・」方の記事です。
ttp://trmtken.exblog.jp/14755539/
匿名様
削除リンク先拝見。
白井晟一展図録に文字を書かれた方なのですね。手元に図録がないので、こんどチェックしてみます。
お知らせありがとうございました。