2010年10月23日土曜日

『欲望のオブジェ』復刊 01

デザイン史の名著、エイドリアン・フォーティの『欲望のオブジェ』が今年8月に復刊しました。

一時はamazonのマーケットプレイスで30,000円もの価格が付いていました。それが、ソフトカバーになって3,300円(税別)。ハードカバー版の定価は4,900円でしたから、かなり入手しやすくなりましたね。




ハードカバー版をもっているのですが、ソフトカバーも買いました。比べてみると、単なるリプリントではなく、内容に異なる点があり、旧版をもっている人も買う価値があります。

  1. 表紙のデザイン(レイアウト)が変更されています。
  2. 著者名カナ表記が異なります。旧版「アドリアン・フォーティ」、新版「エイドリアン・フォーティ」。
  3. 副題が異なります。旧版「デザインと社会 1750—1980」、新版「デザインと社会 1750年以後」。
    現行の英文版に合わせた?
  4. 著者による「まえがき」が追加されました。これは2005年7月付。
    出典は書かれていませんが、英文のいずれかの版に付されたものでしょうか?
    (2005年版の原書に付されているものだそうです)
  5. 前書きの追加によって、以降の頁番号が旧版とは異なります。
    要注意です。
  6. 「再版のための訳者あとがき」が追加されました。
  7. 一見したところ旧版のリプリントに見えますが、旧版とは改行位置が異なる部分があります。訳者あとがきによれば、「いくらか用字用語の改訂・統一をはかった」(319頁)とのこと。
    これも要注意です。
  8. 写真図版が綺麗になりました。旧版は潰れ気で、おそらく原著印刷物から複製していたのではないでしょうか。
    今回はフィルムを入手?

というわけで、新旧でページ番号が異なっているので、引用の際には新旧の別に注意が必要です。旧版に4を足した数が、新版のページ番号です。


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