2010年2月6日土曜日

内藤ルネ展:乙女の美学



たくさんの愛と希望を、
「カワイイ」という美学に込めて。

内藤ルネ展 “ロマンティック”よ、永遠に
大丸ミュージアム・東京
2010年1月27日(水)〜2月8日(月)
http://www.daimaru.co.jp/museum/tokyo/index.html

思っていたよりもよかったです。なによりも約1,000点という展示のヴォリュームがすごい。充実した展覧会でした。

とくによかったものは陶製の人形を中心とするノヴェルティの数々。ただモノが展示されているだけではなく、制作のための指示書が多数展示されています。そこに記されたルネさんのコメントがたのしい。たとえば、

イロンな色で試作なさってください。
店頭でスバラシイと思います!!!!!


とか、

セフテイピンのアニマル あまりかわいくてもうびっくり びっくりです。
よくできましたね。!!! よろしくおつたえ下さい。


とか、

ゆびわ とても可愛らしいとおもいます.よ。
やりましょう!!! よー。


内藤ルネさんがじつに愛にあふれたた方で、とても楽しんで仕事をされていた様子が伝わってくると思いませんか。

* * *

さてさて、私は基本的に機能主義者です。ものづくりにおいても、消費者としても機能第一です。しかし! この展覧会を見て改めて思いました。「機能主義的デザイン史観はダメだ!」。

つまり、形態はほんとうに機能にしたがっているのか、ということです。

たとえば貯金箱。貯金箱の機能がその内部に貨幣を一時的に保存しておくことにあるならば、下のようなたくさんのヴァラエティの貯金箱がデザインされ、製造され、販売されていた事実はいったいどのように説明できるのでしょう?

『内藤ルネ展図録』朝日新聞社、2008年、98頁。

『内藤ルネ展図録』朝日新聞社、2008年、104頁。

『内藤ルネ展図録』朝日新聞社、2008年、106頁。

こうした貯金箱の形態の差は、はたして機能の違いなのでしょうか?
それともこれは女子供の趣味であって、デザインではない! のでしょうか?

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