2009年8月28日金曜日

猫写真



私は格別猫好きではない。猫を飼ったこともない。どちらかといえば猫よりも犬のほうが好きである。でも犬の写真を撮ることは滅多にないが、猫の写真はそれなりにある。なぜだろうかと考えてみた。


散歩にはカメラを持って出る。ぶらぶら歩いていると猫にであうことが多い。で、持っているカメラで猫を写真に収める。猫はたいていひとりで歩いているか、塀の上でうたた寝をしているから、写真に収めるのも簡単である。犬はそうはいかない。犬は飼い主と一緒にいる。犬がひとりで歩いていることはめったにない。ひとりで歩いている犬を見かけたら、むしろこちらが逃げ出すだろう。必然的に、犬を写真に収めるためには飼い主に「撮っていいですか」と声をかけなければならない。飼い主とコミュニケーションしなければならない。飼い主にはなんの用事もないのにも関わらず、だ。きっと断る人もいるだろう。そうなると気まずい。胃が痛くなりそうだ。逆にいろいろ話がはずんでしまうこともあるだろう。それはそれで厄介である。用事があるのは犬であって、飼い主ではないのだ。このように犬の写真を撮ろうとすると、いろいろと面倒がある。そのようなわけで犬の写真はない。猫の写真はある。



猫の写真を撮るわけだが、もとよりどうしても撮りたいというわけでもない。相手と仲良くなりたいと思っているわけでもない。たまたまそこにいたから撮っただけである。だから、私の撮った写真の中の猫は皆いつもこちらを警戒している。甘えた顔をしていることはない。人相、いや猫相がとても悪いのだ。ちまたの猫写真が軒並みひとを和ませるようなものであるのに、私の撮る猫たちはみな目つきが悪い。こういう写真はふつうあまり人目に触れることはないから、これはこれで猫写真界のひとつのジャンルとして成立しないかしらん、そうすれば私はその道の第一人者になれるに違いない、などと考える今日このごろである


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