2012年5月7日月曜日

りん病の恐るべき事を社會に紹介せん



『朝日新聞』明治39(1906)年5月1日、7頁。

醫學博士新發見藥
一回一丸服用効能著る

登録商標
淋 丸
(りんびようせうかち)
りん病消渇
(みまわりできつとなをる)
三週必治藥

※ 消渇(しょうかち)とは、婦人の淋病のこと。
糖尿病を指す場合もある。

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新宿伊勢丹で開催されていた「日本繁昌大展覧会──チャリティ広告展」で北原照久氏の広告コレクションを見て、いにしえの広告の力強さ(どぎつさ、えげつなさ、ともいう)に、改めて心打たれました。

別件で調べていた新聞で見つけた《淋丸》の広告も強烈。
イラストの紳士の周囲には、これでもかというほどの説明文。
最初に「恐るべき理由」が5つあげられています。

(一)りん病は傳染病である
(二)りん病は睾丸炎及び膀胱炎と云ふ恐るべき病を起す基である
(三)りん病は子宮病及び卵巣炎を起す基である
(四)りん病は膿漏眼と云ふて人を盲目にする病の基である
(五)りん病は不妊娠の基である

ひとしきり人びとの恐怖心を煽ったあとは、商品の効能を訴える。
基本中の基本です。




日本繁昌大展覧会──チャリティ広告展
2012/04/04~2012/04/09
新宿伊勢丹

日本繁昌大展覧会──チャリティ広告展
artscapeレビュー/プレビュー



2 件のコメント:

  1. お疲れさまです(笑)。今見たら、このレパードMacでも明朝表示になってましたね。何か設定を変えたんですか?何はともあれ、直って良かった。

    良いですよね、昔の広告。有名な『脳丸』というのもありましたよね。「のうぐぁん」。「頭脳の不完全なる者は馬鹿であります」(笑)。

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  2. やっとかめさん、お世話様です(笑)。
    Safariではフォント指定を英文でしなければならないとか。
    そのあたりをいじってみました。
    でもいま見てみるとFFではエントリのタイトルがゴシック。それも本文と同じサイズ。なんだかわかりませんねぇ……

    「脳丸」ですか。「淋丸」「毒掃丸」と同じメーカー(山﨑帝國堂)のようですね。
    こういうのを調べ始めるときりがありません。
    刺激しないでください(笑)。

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