2025年12月29日月曜日

2025年に見た★★★★☆の展覧会

 ★5の展覧会をリストしたので、★4もついでにリストします。

じっさい、★5と★4にそれほど差はありません。どちらも楽しみ、興味深く拝見しました。★4の中でも振り返ってみると★5でもよかったのでは、という展覧会に下線。


■1月

  • 現在地のまなざし 日本の新進作家 vol.21(東京都写真美術館、2024.10.17〜2025.1.19)。
  • ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965(パナソニック汐留美術館、2025.1.11〜3.23)。
  • さいたま市園芸植物園。
  • 国立西洋美術館常設展示。
  • 画業40周年記念 上條淳士展 LIVE(弥生美術館、2024.9.28〜2025.1.26)。
  • 儒教のかたち こころの鑑 日本美術に見る儒教(サントリー美術館、2025.11.27〜1.26)。
  • 花器のある風景(泉屋博古館東京、2025.1.25〜3.16)。
  • 東博総合文化展。


■2月

  • 横浜美術館リニューアルオープン記念展 おかえり、ヨコハマ(横浜美術館、2025.2.8〜6.2)。
  • 生誕120周年 サルバドール・ダリ ―天才の秘密―(横須賀美術館、2025.2.8〜4.6)。
  • わたしたちの返事:1975-2025(アニエスベー ギャラリー ブティック、2025.2.22〜3.23)。
  • Made in 青森—自然と歴史の交差点(OMOTESANDO CROSSING PARK、2025.1.24〜2.24)。
  • 第28回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)(川崎市岡本太郎美術館、2025.2.23〜4.13)。
  • 世田谷美術館コレクション選 緑の惑星 セタビの森の植物たち(世田谷美術館、2025.2.27〜4.13)。
  • 五美大展(国立新美術館、2025.2.〜3.2)。
  • 没後120年 エミール・ガレ:憧憬のパリ(サントリー美術館、2025.2.15〜4.13)。
  • あつまれ! どうぶつの模様(文化学園服飾博物館、2024.12.5〜2025.3.5)。


■3月

  • 映画監督 アンジェイ・ワイダ(国立映画アーカイブ、2024.12.10〜2025.3.23)。
  • 山本有三没後50年「濁流 雑談 近衛文麿」-燃ゆる創作への想い-(三鷹市山本有三記念館、2024.9.14〜2025.5.11)。
  • 発掘された珠玉の名品 少女たち —夢と希望・そのはざまで 星野画廊コレクションより(三鷹市美術ギャラリー、2024.12.14〜2025.3.2)。
  • 拓本のたのしみ -王羲之と欧陽詢-(台東区立書道博物館、2025.2.4〜3.16)。
  • 新版画—風景画の変遷 松亭・巴水・紫浪・光逸・江逸[前期](川崎浮世絵ギャラリー、2025.2.15〜3.16)。
  • 東博総合文化展。
  • 特別展示「ランドスケープをつくる TORORO LAND」展(東京都庭園美術館 正門横スペース、2025.3.4〜3.30)。
  • 戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見(東京都庭園美術館、2025.3.8〜5.18)。
  • 現代美術とアーティスト(不忍画廊、2025.3.6〜3.15)。
  • 森山寛二郎陶展(日本橋高島屋本館6階美術工芸サロン、2025.3.5〜3.10)。
  • 久松知子展 地理的条件と生活(日本橋三越コンテンポラリーギャラリー、2025.3.5〜3.17)。
  • MICAO作品展(日本橋三越コンテンポラリーギャラリー、2025.3.5〜3.25)。
  • 木村智博個展「まもりたい」(みうらじろうギャラリー@5、2025.3.8〜3.23)。
  • 松山賢展「縄文復元模造図絵」(みうらじろうギャラリー、2025.3.8〜3.23)。
  • 梅東風(みうらじろうギャラリーbis、2025.3.8〜3.23)。
  • 西洋絵画、どこから見るか?―ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館 vs 国立西洋美術館(国立西洋美術館、2025.3.11〜6.8)。
  • 生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った(東京ステーションギャラリー、2025.1.25〜3.16)。
  • ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ(アーティゾン美術館、2025.3.1〜6.1)。
  • 硲伊之助展(アーティゾン美術館、2025.3.1〜6.1)。
  • 武士の姿・武士の魂(大倉集古館、2025.1.28〜3.23)。
  • DIC川村記念美術館 1990–2025 作品、建築、自然(DIC川村記念美術館、205.2.8〜3.31)。
  • 着物の美 ~清方美人の着こなし~(鏑木清方記念美術館、2025.3.1〜4.13)。
  • 集結!北斎のエナジー -肉筆浮世絵の殿堂-(鎌倉国宝館、2025.3.29〜5.11)。


■4月

  • 東博コレクション展。
  • タピオ・ヴィルカラ 世界の果て(東京ステーションギャラリー、2025.4.5〜6.15)。
  • 第28回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)(川崎市岡本太郎美術館、2025.2.23〜4.13)。
  • 国宝の名刀と甲冑・武者絵 特集展示 三井家の五月人形(三井記念美術館、2025.4.12〜6.15)。
  • 藤田嗣治 7つの情熱(SOMPO美術館、2025.4.12〜6.22)。
  • LOVEファッション─私を着がえるとき(東京オペラシティアートギャラリー、2025.4.16〜6.22)。
  • 異端の奇才――ビアズリー(三菱一号館美術館、2025.2.15〜5.11)。
  • どうしてなんだか似てる服(文化学園服飾博物館、2025.4.3〜6.21)。
  • 横尾忠則 連画の河(世田谷美術館、2025.4.26〜6.22)。
  • ミュージアム コレクションⅠ 世田谷でインド(世田谷美術館、2025.4.19〜7.13)。
  • 総合開館30周年記念 TOPコレクション 不易流行(東京都写真美術館、2025.4.5〜6.22)。
  • 総合開館30周年記念 鷹野隆大 カスババ(東京都写真美術館、2025.2.27〜6.8)。


■5月

  • 松山智一展 FIRST LAST(麻布台ヒルズギャラリー、2025.3.8〜5.11)。
  • 春の江戸絵画まつり 司馬江漢と亜欧堂田善 かっこいい油絵(府中市美術館、2025.3.15〜5.11)。
  • 石崎光瑤(日本橋高島屋、2025.4.23〜5.6)。
  • 地図で見るさいたまの近代(さいたま市立博物館、2025.3.8〜6.1)。
  • はたらく装いのフォークロア(埼玉県立歴史と民俗の博物館、2025.3.15〜5.6)。
  • メキシコへのまなざし(埼玉県立近代美術館、2025.2.1~5.11)。
  • 静岡市歴史博物館。
  • うつりゆく自然を描く 小野竹喬の世界(静岡市美術館、2025.4.12〜5.25)。
  • 近代ひらつかの女性たち(平塚市博物館、2025.3.22〜5.18)。
  • 盛田昌夫コレクション寄贈記念 イタリアの磁器-リチャード・ジノリのクラシックとモダン(愛知県陶磁美術館、2025.5.17〜7.27)。
  • 瀬戸電開通 120年記念特別企画展 せとでんやきものの街・瀬戸と歩んだ120年(瀬戸蔵ミュージアム、2025.4.2〜5.24)。
  • 日本の万国博覧会1970-2005 第1部「EXPO’70 技術・デザイン・芸術の融合 」(国立近現代建築資料館、2025.3.8〜5.25)。
  • 日本の版画1200年―受けとめ、交わり、生まれ出る(町田市立国際版画美術館、2025.3.20〜6.15)。
  • 巖谷國士 写真展「森と水と空、そして旅」(ギャラリーHANA)。
  • 橋口五葉のデザイン世界(府中市美術館、2025.5.25〜7.13)。
  • 愛と苦情の広告史 〜あなたも広告にひとことを〜(アド・ミュージアム東京、2025.4.29〜6.14)。


■6月

  • 遥かなるイタリア 川村清雄と寺崎武男(目黒区美術館、2025.4.19〜6.8)。
  • 建物公開 2025 時を紡ぐ館(東京都庭園美術館、2025.6.7〜8.24)。
  • 美術館建築 ― アートと建築が包み合うとき(茅ヶ崎市美術館、2025.4.1〜6.8)。
  • ヒルマ・アフ・クリント展(東京国立近代美術館、2025.3.4〜6.15)。
  • 万博―日本と博覧会の歴史―(国立公文書館、2025.5.31〜6.29)。
  • ラーメンどんぶり展(21_21 DESIGN SIGHT、2025.3.7~6.15)。
  • 大坪奈古展(Hideharu Fukasaku Gallery Roppongi、2025.6.18〜7.1)。
  • 篠原一男 空間に永遠を刻む――生誕百年 100の問い(TOTOギャラリー・間、2025.4.17〜6.22)。
  • 黙然たる反骨 安藤照 ―没後・戦後80年 忠犬ハチ公像をつくった彫刻家―(渋谷区立松濤美術館、2025.6.21〜8.17)。
  • 佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)(横浜美術館、2025.6.28〜11.3)。
  • リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s(国立新美術館、2025.3.19〜6.30)。


■7月

  • 野町和嘉―人間の大地(世田谷美術館、2025.7.5〜8.31)。
  • 彼女たちのアボリジナル・アート オーストラリア現代美術(アーティゾン美術館、2025.6.24〜9.21)。
  • アイデンティティシステム 1945年以降 西ドイツのリブランディング(ギンザ・グラフィック・ギャラリー、2025.5.27〜7.5)。
  • 瓦が語る歴史—前場幸治瓦コレクションの名品—(明治大学博物館、2025.5.29〜7.16)。
  • デザインとイラストレーションの青春 1900s-1930s 大正イマジュリィの世界(SOMPO美術館、2025.7.12〜8.31)。
  • 岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here(東京都現代美術館、2025.4.29〜7.21)。
  • 鰭崎英朋(太田記念美術館、2025.6.28〜7.21)。
  • 木茂(もくも)先生の挿絵考 併陳:近代の洋画(神奈川県立近代美術館 鎌倉別館、2025.4.26〜7.21)。
  • 鏑木清方記念館。
  • 戦後80年 《明日の神話》 次世代につなぐ 原爆×芸術(川崎市岡本太郎美術館、2025.7.19〜10.19)。
  • ポスターでみる映画史 Part 5 アニメーション映画の世界(国立映画アーカイブ、2025.4.5〜7.27)。
  • ○△□えほんのせかい+目黒区美術館トイコレクション 同時開催 クルト・ネフ生誕99年(目黒区美術館、2025.7.5〜8.24)。
  • 杉野学園の100年と杉野学園衣裳博物館(杉野学園衣裳博物館、2025.4.14~7.30)。
  • 久米桂一郎 日本絵画コレクション 銘品選(久米美術館、2025.6.28〜8.3)。


■8月

  • ますむらひろしの銀河鉄道の夜―完結編(八王子市夢美術館、2025.6.27〜8.31)。
  • リト@葉っぱ切り絵展 ~小さな葉っぱに広がる世界~(武蔵野市立吉祥寺美術館、2025.7.26〜9.7)。
  • 美術の遊びとこころⅨ 花と鳥(三井記念美術館、2025.7.1〜9.7)。
  • 東博コレクション展。
  • 記念艦三笠。
  • ファッションよ 我に力を(アクセサリーミュージアム、2025.4.22〜8.10)。
  • 団地と映画 ー世界は団地でできている(高島屋史料館TOKYO、2025.3.12〜8.24)。
  • 害蟲展season6(MATERIO base、2025.8.23〜9.11)。
  • 櫻井結祈子展「聲なき竜の川」、井上藍展「日々と願いと動物と」、山根一葉展「繭の中で」(不忍画廊、2025.8.8〜8.30)。
  • ピクチャレスク陶芸 アートを楽しむやきもの ―「民藝」から現代まで(パナソニック汐留美術館、2025.7.12〜9.15)。
  • ブラチスラバからやってきた!世界の絵本パレード(うらわ美術館、2025.7.12〜8.31)。
  • 戦後80年・蕨市平和都市宣言40周年記念 第36回平和祈念展「蕨町と戦争 1894-1945」(蕨市立歴史民俗資料館、2025.7.12〜9.15)。
  • 東京国立近代美術館コレクション展。
  • オランジュリー美術館 オルセー美術館 コレクションより ルノワール×セザンヌ―モダンを拓いた2人の巨匠(三菱一号館美術館、2025.5.29〜9.7)。
  • 鳥々 藤本能道の色絵磁器(菊池寛実記念 智美術館、2025.6.7〜9.28)。
  • ギャラリー展「戦後80年―戦争とハンセン病」(国立ハンセン病資料館、2025.7.19〜8.31)。


■9月

  • 橋と船の博覧会(横浜みなと博物館、2025.5.8〜11.16)。
  • Ukiyo-e 猫百科 ごろごろまるまるネコづくし(そごう美術館、2025.7.19〜9.2)。
  • 20世紀北欧デザインの巨匠 スティグ・リンドベリ展(日本橋高島屋、2025.8.21〜9.7)。
  • new born 荒井良二 いつも しらないところへ たびするきぶんだった(宇都宮美術館、2025.7.20〜9.23)。
  • ニッポン制服クロニクル  ―昭和100年!着こなしの変遷と、これからの学生服-(弥生美術館、2025.6.7〜9.14)。
  • 自然と魂 利根山光人の旅 異文化にみた畏敬と創造(世田谷美術館、2025.9.13〜11.9)。
  • 終戦80年 戦争を見つめなおそう(港区立郷土歴史館、2025.7.5〜9.30)。
  • 開館50周年記念 おいでよ!松岡動物園(松岡美術館、2025.6.17〜10.13)。
  • 諏訪敦|きみはうつくしい(WHAT MUSEUM、2025.9.11〜2026.3.1)。
  • コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ(東京国立近代美術館、2025.7.15〜10.26)。
  • 足尾銅山鉱毒事件 女たちの闘い ― 女押し出しと支援する人々 ―(足尾鉱毒事件田中正造記念館、2025.9.16〜12.21)。
  • 戦後80年企画展「館林と戦争」(館林市第一資料館、2025.7.19〜9.21)。
  • はしもとみお 木彫展 ~いきものたちとの旅~(群馬県立館林美術館、2025.7.19〜9.23)。
  • 浦和くらしの博物館民家園。
  • 佐井好子原画展(ビリケンギャラリー、2025.9.13〜9.28)。
  • 中村萌「connect connect」(ポーラ ミュージアム アネックス、2025.8.19〜9.28)。
  • つくるよろこび 生きるためのDIY(東京都美術館、2025.7.24〜10.8)。
  • 江戸・明治の美術 -根岸のたからもの-(台東区立書道博物館、2025.7.19〜9.28)。


■10月

  • エヴァ&ヤン・シュヴァンクマイエル博物誌(LIBRAIRIE6 / シス書店、2025.8.23~10.26)。
  • 『家守綺譚』完結記念 近藤ようこ個展「開く 閉じる」(ビリケンギャラリー、2025.10.4〜10.19)。
  • エコール・ド・シモン人形展(弘重ギャラリー、2025.10.14~10.19)。
  • JAGDA Exhibition 2025(東京ミッドタウン・デザインハブ、2025.10.3~10.26)。
  • 貞明皇后と華族(霞会館記念学習院ミュージアム、2025.10.11〜11.22)。
  • 開館30周年記念 未来/追想 千葉市美術館と現代美術(千葉市美術館、2025.8.2~10.19)。
  • 阪本トクロウ Day after day (GALLERY MoMo Projects、2025.10.18~11.22)。
  • 新しい建築の当事者たち(TOTOギャラリー・間、2025.7.24~10.19)。
  • 川崎市立日本民家園。
  • これもさわれるのかな? ―彫刻に触れる展覧会Ⅱ―(神奈川県立近代美術館 鎌倉別館、2025.8.2~10.19)。
  • 《朝涼》ができるまで ―清方芸術の前半生―(鏑木清方記念美術館、2025.8.30〜10.19)。
  • ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀(スパイラルガーデン、2025.10.18〜10.26)。
  • 髙田 安規子・政子 Perspectives この世界の捉え方(資生堂ギャラリー、2025.8.26〜12.7)。
  • 田部井美奈 光と図形と、その周辺(ギンザ・グラフィック・ギャラリー、2025.9.5~10.22)。
  • 上田義彦 いつも世界は遠く、(神奈川県立近代美術館 葉山、2025.7.19〜11.3)。
  • 山口蓬春記念館。


■11月

  • グッドデザイン賞受賞展。
  • 学習マンガのひみつ(国立科学博物館、2025.10.10〜11.9)。
  • 幕末土佐の天才絵師 絵金(サントリー美術館、2025.9.10~11.3)
  • 川端龍子生誕140年特別展「川合玉堂と川端龍子」(大田区立龍子記念館、2025.10.11〜11.9)。
  • 藤本壮介の建築:原初・未来・森(森美術館、2025.7.2〜11.9)。
  • AWT。
  • タローマン大万博 川崎パビリオン(川崎市岡本太郎美術館、2025.10.28〜12.14)。
  • 登戸研究所。
  • 目黒区美術館コレクション展  新収蔵品を中心に+清原啓子の銅版画(目黒区美術館、2025.10.11〜11.16)。
  • 生きるキャンパス展 〜ZOKEI 学びの環境とその広がり〜(東京造形大学附属美術館、2025.10.6〜11.17)。
  • 描く人、安彦良和(渋谷区立松濤美術館、2025.11.18〜2026.2.1)。
  • “異”常の色・形 ~時に思いが宿るもの~(栃木県立博物館、2025.10.4〜11.24)。
  • ライシテからみるフランス美術――信仰の光と理性の光(宇都宮美術館、2025.10.12〜12.21)。
  • 生誕110周年 鈴木新夫展―画家のまなざし 描くということ―(豊島区立郷土資料館、2025.10.21〜12.14)。
  • 日展。
  • 刺繍がうまれるとき―東京都コレクションにみる日本近現代の糸と針と布による造形(東京都美術館、2025.11.18〜2026.1.8)。
  • 韓国ファッションの共鳴 ―伝統から革新へ―(文化学園服飾博物館、2025.11.22〜12.4)。
  • 和モダン-銘仙着物の華やぎ-(共立女子大学博物館、2025.9.29〜11.30)。


■12月

  • 上野アーティストプロジェクト2025「刺繍―針がすくいだす世界」(東京都美術館、2025.11.18〜2026.1.8)。
  • デザイン展「Identita – the story of Czech graphic design」(チェコセンター東京、2025.12.4〜2026.1.30)。
  • 東博コレクション展。
  • いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年(横浜美術館、2025.12.6〜2026.3.22)。
  • フジタからはじまる猫の絵画史 藤田嗣治と洋画家たちの猫(府中市美術館、2025.9.20~12.7)。
  • 歌川広重 二つの『東海道五拾三次』展 保永堂版×丸清版(中村屋サロン美術館、2025.9.17~12.7)。
  • 東京国立近代美術館コレクション展。
  • 国立西洋美術館常設展
  • もてなす美―能と茶のつどい(泉屋博古館東京、2025.11.22〜12.21)。
  • 戦後80年企画・春日明夫コレクション 子どもの時代 ―戦前・戦中・戦後 子どもをめぐる昭和の暮らしと文化展(世田谷文化生活情報センター:生活工房、2025.8.19〜12.28)。


なお、★3にしているのは個人的に期待したものと違った、という展覧会ですね。★2、★1はありませんでした。

2025年に見た★★★★★の展覧会

今年もいろいろ見ました。
ベスト5とか、ベスト10とか、とても絞れません。

見た展覧会・常設展・ギャラリーは★で感想を記録しているので、その中から★5のものをピックアップしました。★5と★4の差は微妙ですが、単純に数が多くなりすぎるので★5に絞りました。

リストは見た順です。

そもそも何を見たなかでの★5なのか、ですが、ブロックバスター展はほとんど見ていません。見たかったのに見逃してしまった展覧会もありました。なお、★の基準には「企画がよかった」ものと、「作品が好き」とが混在しています。

どこの展覧会か。東京とその周辺です。他に今年は大阪と愛知、静岡にそれぞれ1回行きました。

2回見た展覧会もありますが、最初に見た月に入れてます。記録を見直してみると、1回目と2回目で評価が違う展示もあって、我ながら興味深いです。

そして、とても絞れません、と書きましたが、中でも印象に残っている展示にはアンダーラインを引いてみました。


■1月(24箇所中)
  • 没後30年 木下佳通代(埼玉県立近代美術館、2024.10.12〜2025.1.13)。
  • 熊谷恒子記念館。
  • 港北ニュータウン開発と発掘調査/令和6年度 かながわの遺跡展「縄文ムラの繁栄―かながわ縄文中期の輝き―」(横浜市歴史博物館、2024.12.24〜2025.1.26)。
  • 菊池コレクション 現代陶芸のすすめ(菊池寛実記念 智美術館、2025.1.18〜5.6)。
  • 小杉放菴展 ―小杉放菴記念日光美術館所蔵作品を中心に―(八王子市夢美術館、2024.11.16〜2025.1.26)。

■2月(24箇所中)
  • 魂を込めた円空仏 ―飛騨・千光寺を中心にして―(三井記念美術館、2025.2.1〜3.30)。
  • 手塚治虫 ブラック・ジャック展(そごう美術館、2025.1.16〜2.25)。
  • そこに光が降りてくる  青木野枝/三嶋りつ惠(東京都庭園美術館、2024.11.30〜2025.2.16)。
  • 市街地が語る横須賀~中央・追浜の先駆性と変貌~(横須賀市自然・人文博物館、2024.12.3〜2025.5.21)。
  • 中世の華・黄金テンペラ画 - 石原靖夫の復元模写(目黒区美術館、2025.2.15〜3.23)。

■3月(54箇所中)
  • 鈴木敦子展 “ねこの てを かりる”(不忍画廊、2025.2.15〜3.1)。
  • 満田晴穂「JIZAI」(池内美術、2025.3.7〜3.15)。
  • 梶コレクション展―色彩の宝石、エマーユの美(国立西洋美術館、2025.3.11〜6.15)。
  • リニューアルオープン記念展 学習院コレクション「華族文化 美の玉手箱」 芸術と伝統文化のパトロネージュ(霞会館記念学習院ミュージアム、2025.3.14〜5.17)。
  • 日常をつくる!企業博物館からみた昭和30年代(たばこと塩の博物館、2025.1.18〜3.23)。
  • 映画字幕翻訳の仕事 ──1秒4文字の魔術(鎌倉市川喜多映画記念館、2025.1.19〜3.30)。

■4月(28箇所中)
  • 妃たちのオーダーメイド セーヴル フランス宮廷の磁器 マダム・ポンパドゥール、マリー=アントワネット、マリー=ルイーズの愛した名窯(渋谷区立松濤美術館、2025.4.5〜6.8)。
  • ライトアップ木島櫻谷II ― おうこくの線をさがしに 併設四季連作屏風(泉屋博古館東京、2025.4.5〜5.18)。
  • オディロン・ルドン ―光の夢、影の輝き(パナソニック汐留美術館、2025.4.12〜6.22)。
  • CFCL: KnitwearからKnit-wareへ(GYRE GALLERY、2025.3.23〜4.28)。
  • 没後80年 小原古邨 ―鳥たちの楽園(太田記念美術館、2025.4.3〜4.29)。
  • 酒呑童子ビギンズ(サントリー美術館、2025.4.29〜6.15)。

■5月(42箇所中)
  • MOMASコレクションでタレルの《テレフォン・ブース》体験。
  • 黒猫奇譚 坂崎幸之助コレクション(フェルケール博物館、2025.3.29〜5.11)。
  • 生誕100年 中村正義 ―その熱と渦―(平塚市美術館、2025.4.12~5.18)。
  • 三鷹天命反転中!!──荒川修作+マドリン・ギンズの死なないためのエクササイズ(三鷹市美術ギャラリー、2025.3.22~5.18)。
  • 象嵌・坂本素行作品展(ギャラリー山咲木、2025.5.10〜5.17)。
  • 至福のひととき カップ&ソーサー展(横山美術館、2025.4.29〜8.31)。
  • 玉山拓郎:FLOOR(豊田市美術館、2025.1.18〜5.18)。
  • 生誕一二〇年 人間国宝 黒田辰秋 木と漆と螺鈿の旅(豊田市美術館、2025.3.15〜5.18)。
  • 岡本太郎と太陽の塔―万国博に賭けたもの(川崎市岡本太郎美術館、2025.4.26〜7.6)。
  • CELADON―東アジアの青磁のきらめき(東洋陶磁美術館、2025.4.19〜11.24)。
  • プレイバック1970 大阪万博と昭和レトロ(EXPO'70 パビリオン、2025.3.22〜8.3)。
  • 民具のミカタ博覧会―見つけて、みつめて、知恵の素(国立民族学博物館、2025.3.20〜6.3)。
  • 太陽の塔

■6月(23箇所中)
  • 死と再生の物語ナラティヴ―中国古代の神話とデザイン(泉屋博古館東京、2025.6.7〜7.27)。
  • 「HOSONO MANDALA」企画展『細野さんと晴臣くん』(立教大学ライフスナイダー館、2025.5.31〜6.30)。
  • 建築家・阿部勤のいえ展  暮らしを愉しむデザイン(ギャラリーA4、2025.4.4〜6.26)。

■7月(34箇所中)
  • 藤田嗣治 絵画と写真(東京ステーションギャラリー、2025.7.5〜8.31)。
  • 難波田龍起(東京オペラシティアートギャラリー、2025.7.11〜10.2)。
  • まだまだざわつく日本美術(サントリー美術館、2025.7.2〜8.24)。
  • 戦後80年企画 衣服が語る戦争(文化学園服飾博物館、2025.7.16〜9.20)。
  • ヘアカラー展 なぜ染める、なぜ染まる。(世田谷文化生活情報センター:生活工房、2025.4.29〜8.11)。
  • 富田菜摘展 ReBirth(新宿高島屋美術画廊、2025.7.30〜8.11)。

■8月(29箇所中)
  • 日本の万国博覧会1970-2005 第2部「EXPO’75以降 ひと・自然・環境へ」(国立近現代建築資料館、2025.6.14〜8.31)。
  • 藍と紅のものがたり(大倉集古館、2025.7.29〜9.23)。
  • 巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語 ―現代マイセンの磁器芸術―(泉屋博古館東京、2025.8.30〜11.3)。
  • THE ANCIENT GLASS  ―古代ガラスの3つの軌跡―(古代オリエント博物館、2025.7.12〜9.7)。

■9月(45箇所中)
  • 35周年 TSUMORI CHISATO ♡♡ 感謝 ♡♡♡(渋谷ヒカリエ 8/CUBE 1, 2, 3、2025.9.1〜9.6)。
  • カルン・タカール・コレクション インド更紗 世界をめぐる物語(東京ステーションギャラリー、2025.9.13〜11.9)。
  • 誕生70周年記念 ミッフィー展(そごう美術館、2025.9.13〜11.4)。
  • ディーン・ボーエン オーストラリアの大地と空とそこに生きる私たち(八王子市夢美術館、2025.9.12〜11.3)。
  • 円山応挙―革新者から巨匠へ(三井記念美術館、2025.9.26〜11.24)。
  • ルイジ・ギッリ 終わらない風景(東京都写真美術館、2025.7.3~9.28)。

■10月(36箇所中)
  • 重要文化財「黒き猫」修理完成記念 「永青文庫 近代日本画の粋 ―あの猫が帰って来る!―」(永青文庫、2025.10.4〜11.3)。
  • ウィーン・スタイル ビーダーマイヤーと世紀末 生活のデザイン、ウィーン・劇場都市便り(パナソニック汐留美術館、2025.10.4〜12.17)。
  • 明治神宮 思い出人形展・人形感謝祭
  • la Galerie du 19M Tokyo 未知なるクリエイション、その先へ/刺繍とテキスタイル、100年の物語(東京シティビュー・森アーツセンターギャラリー、2025.9.30〜10.20)。
  • スパイラル40th × 槇総合計画事務所60th 「槇文彦とスパイラル –アートの生きる場所–」(スパイラルガーデン、2025.10.1~10.13)。
  • 昭和100年記念 昭和の人形展(吉德これくしょん展示室、2025.9.15〜11.3)。
  • 柚木沙弥郎 永遠のいま(東京オペラシティアートギャラリー、2025.10.24〜12.21)。
  • 永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーが語るアール・デコ(東京都庭園美術館、2025.9.27〜2026.1.18)。
  • 井上有一の書と戦後グラフィックデザイン 1970s-1980s(渋谷区立松濤美術館、2025.9.6〜11.3)。
  • 山本理顕展 コミュニティーと建築(横須賀美術館、2025.7.19〜11.3)。

■11月(33箇所中)
  • 高橋松亭×川瀬巴水-日本の技と美-(大田区立郷土博物館、2025.10.7〜11.24)。
  • やっぱりエジプトが好き💛  ―昭和のニッポンと古代のエジプト―(古代オリエント博物館、2025.9.27〜11.24)。
  • Perfume COSTUME MUSEUM FINAL EDITION(そごう美術館、2025.11.15〜2026.1.12)。
  • 宮城県美術館コレクション 絵本のひみつ展(栃木県立美術館、2025.10.25〜12.21)。
  • つぐ minä perhonen(世田谷美術館、2025.11.22〜2026.2.1)。
  • 小林徳三郎(東京ステーションギャラリー、2025.11.22〜2026.1.18)。
  • あの人に会える!清方の代表作《築地明石町》三部作(鎌倉市鏑木清方記念美術館、2025.10.25〜111.30)。

■12月(21箇所中)
  • ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧(国立新美術館、2025.9.17~12.15)。
  • 生誕120周年記念 伊藤彦造展 ~美剣士の血とエロティシズム~(弥生美術館、2025.9.20〜12.21)。
  • 人々を援(たす)け寄り添う神や仏-道釈人物画の世界(大倉集古館、2025.11.22〜2026.1.18)。
  • 野村正治郎とジャポニスムの時代―着物を世界に広げた人物(国立歴史民俗博物館、2025.10.28~12.21)。
  • 川口起美雄 Thousands are Sailing(神奈川県立近代美術館 鎌倉別館、2025.11.1〜2026.2.1)。

見た展示を合計すると393箇所ですね。その中には銀座日本橋などのギャラリー、百貨店の美術画廊もありますので、必ずしも時間をかけて見ているわけではありません。

2023年4月4日火曜日

21_21:The Original:展覧会コンセプトを考察する



The Original
2023年3月3日〜6月25日
21_21 DESIGN SIGHT


ツイートを検索すると、とても評判がよいようですね。

今回の企画に限らず、21_21の展覧会は作品のセレクト、展示構成が魅力的でデザインにセンシティブな人々に評判がよいのは頷けます。ただ、私自身にとって21_21の展覧会はnor for meなことが多いので最近は足を運ばないという選択をしてきました。

今回はある展覧会レビューが企画意図を読めていないのではないかという企画者のツイートを読み、そのレビューの妥当性を考えるべく、久しぶりに訪問したのでした。


当該レビューのポイントを上げますと

・家具や日用品を中心に世界のデザイントレンドの概要や変遷を見るという点では、本展はこの上ない。
・本展で着目しているデザインのポイントとは、主に造形性。しかしデザインの本質や役割とは何かを突き詰めていくと、造形性はあくまでデザインの一要素でしかないのでは。
・名作と言われる家具や日用品には、造形面だけでなく、その時代の新しい素材や技術、使い方などに挑んだからというエポックメーキングな経緯が多い。

ときて、

「もし私がオリジナルという言葉を解釈するならば、そうした革新性を伴い、それが人々や社会にどれほど役立ち、貢献したのかという点を重視したいと思う」

と書かれています。
The Original|杉江あこ https://artscape.jp/report/review/10183470_1735.html



引っかかりを覚えるのは「もし私がオリジナルという言葉を解釈するならば」という部分でしょう。これは「自説開陳レビュー」というやつです。企画意図を考察して疑問点を糺すのではなく、文脈は無視して自説を述べる。学会報告や講演会の質疑応答でしばしば見られるアレです。

これではそもそも話は噛み合いません。自分なりの解釈は自分の展覧会でやっていただきたい。

それに実際に展覧会を見れば分かると思いますが、「世界のデザイントレンドの概要や変遷を見る」という趣旨の企画・構成ではありませんよね。その点でもレビュアーはいったい何を見たのだろうかと思います。


* * *

さて、「The Original」はどういう展覧会なのかを考えるには、ここで何を以て「Original」と言っているのか検討する必要がありましょう。

ステートメントには次のように書かれています。

本展では、世の中に深く影響を与えるデザインを「The Original」と定義し、紹介します。ただし、ここでいう「The Original」は必ずしもものづくりの歴史における「始まり」という意味ではありません。多くのデザイナーを触発するような、根源的な魅力と影響力をそなえ、そのエッセンスが後にまでつながれていくものです。
https://www.2121designsight.jp/program/original/


「ディレクターメッセージ」には、

「確かな独創性と根源的な魅力、 そして純粋さ、大胆さ、力強さをそなえたデザインを、この展覧会では 「The Original」と呼びたいと思います。」 https://www.2121designsight.jp/program/original/director.html


とあります。

そのほか、企画者の言葉などを読むと、ここでの「オリジナル」は現在見られるデザインの源流と言えるプロダクトを意味しているように思えます。「オリジナル」に対比されるのは「コピー」とか「パクリ」とか「オマージュ」「影響」でしょうか。展覧会の最後にそうした言葉が一覧されています。

ただ、企画原案の深澤直人さんのニュアンスは少し違っているようです。たとえば「なかなか真似できないオリジナルがある。オリジナリティが強すぎてそのかたちが2度と使えないのである」という言葉です。

また「生きているうちにすばらしく真似されないオリジナルを生み出そう」ともあります。ということは、この「オリジナル」は「源流」ではなく、「唯一無二」という意味と受け取るべきかと悩むわけです。ここはもう少し整理して欲しかった部分です。

私自身はデザインとは課題の発見とその解決と考えているので、誰の影響も受けていないプロダクトとか、逆に誰にも影響していない(真似されない)孤高のプロダクトなど歴史的に意味がないのではないか、と思ってしまうわけですが、前掲レビューが指摘しているように、この展覧会が着目しているのはデザインの「造形性」であって、プロダクトやその発想のオリジナリティではなく造形的なオリジナリティを意味していると、深澤さんの言葉は理解できます。ディレクターの土田貴宏さんも「デザイン=問題解決という図式以外の要素も盛り込みたかった」と述べているとのことですので(https://mononcle.art/story/page-13284/)、「造形以外も重要ではないか」というコメントはまったくお門違いですね。そういう話はしていません。

20_21では2009年に深澤直人さんのディレクションで「見えていない輪郭」という展覧会が開催されています。これもプロダクトのフォルムに注力した展示でした。ですので、これが深澤さんのデザインへのアプローチなのかも知れません。この展覧会については以前書きました。

👉 http://tokyopasserby.blogspot.com/2009/10/2121the-outline.html


* * *

では、この展覧会は造形的な意味でオリジナリティのあるプロダクトを見せ得ているのか。

おそらくそうなのでしょう。

「おそらく」というのは私の知識が不足しているからです。知識がないから、それが「オリジナル」なのかどうか判断できないのです。

たとえばトーネットの曲げ木椅子であれば、「オリジナル」なのだろうと分かります。有名なので。レゴもそうでしょう。カンチレバーの鋼管椅子のように、マルト・スタムとマルセル・ブロイヤーとどちらが先かという論争が解説されているものもあります(でもブロイヤーの椅子の方が後のデザインに「影響」していますよね)。

しかし、「オリジナルです」と言われても「そうなんですか」というほかないものもあります。繰り返しになりますが、知識がないので。

キャプションではなぜこれが「オリジナル」なのかを説明していますが、必ずしも十分ではない。その点がやや不満です。ディレクターの眼を信じればいいのでしょうけれども、実証主義者だものですから、もっと詳細を知りたい。


* * *

「オリジナル」という言葉の背後には「コピー」とか「パクリ」とか「オマージュ」とか、「オリジナルでないもの」の存在が想像されます。展示の最後にはそれらの概念を解説したパネルもあります。



しかし、この企画構成ではオマージュであれ、コピーであれ、後のデザイン、プロダクトに与えた影響という視点は重視されていません。なにしろ、「生きているうちにすばらしく真似されないオリジナルを生み出そう」なのです。極めて最近のプロダクトもセレクトされています。その後のデザインへの「影響」を考えるには新しすぎます。

「オリジナル」であるかどうかを見る基準が「プロダクトの影響関係」であれば、系統樹で示す方法もありましょう。しかしここには先も後もない、点で示すほかないプロダクトもあります。「オリジナル」であると同時に「ユニーク」なプロダクトです。


* * *

で、この展覧会はどう見たらよいのか。

造形に着目しているとはいえ、「かっこいいデザインだな、こんどこのカタチを真似してみよ」ではないのは確かです。

そうではなくて、「こういうオリジナリティのある造形のプロダクトがある。それを生み出したデザイナーがいる。その仕事をよく観察し、そのすばらしさに感動し、アプローチの方法を考察し、もっと自分なりの造形を考えろ。」

デザインに関わる人々に対する深澤さんの檄。そう受け止めたい。

がんばりましょう。お互いに。
* * *

展覧会にセレクトされたプロダクトの特徴として、プロトタイプではなく、商品化されたものであること、なおかつ、ほぼすべてが現在生産されていて、(価格はさておき)入手可能なものである点があります。展示も基本的に現行品です。これは「オリジナルが入手可能なのだから、コピーではなくオリジナルを買え」というメッセージですね。

2021年10月17日日曜日

パナソニック汐留美術館:
ブダペスト国立工芸美術館名品展
ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ



ブダペスト国立工芸美術館名品展
ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ

2021年10月9日〜12月19日
パナソニック汐留美術館

19世紀後半のヨーロッパで、日本の美術や工芸の影響を受けた作品が様々な分野で作り出されるようになった現象のジャポニスムは、やがてアール・ヌーヴォーの源泉ともなります。工芸においても、イメージの模倣から始まり日本の装飾技法の研究を通じて、その魅力の根底にある自然へのまなざしや素材自体の効果を学び、探求が行われます。本展ではその様相を多数の優れた作例によってご紹介いたします。


※ 写真は内覧会にて撮影、掲載許可済 ※



| shiodome museum | oct. 2021 |

展覧会のタイトルから最初はハンガリーの美術工芸品による企画なのかなとおもっていましたが、さにあらず。19世紀末から20世紀初頭の欧米の陶磁器とガラスの名品の数々によって欧米工芸への日本の影響を見ようとするものです。


| shiodome museum | oct. 2021 |

ブダペスト国立工芸美術館のコレクションにはアール・ヌーヴォーの家具もあります。しかしこの展覧会は陶磁器とガラスに特化しています。


| shiodome museum | oct. 2021 |

ブダペスト国立工芸美術館にはジョルナイ工房とヘレンドのコレクションが多いので、陶磁器にフォーカスするのはもっともかもしれません。

ハンガリー国外の、ガレやドーム、ティファニーのガラスも実にすばらしい。


| shiodome museum | oct. 2021 |


| shiodome museum | oct. 2021 |

❖ ❖ ❖

欧米美術工芸への日本の美術工芸からの影響というと絵柄などといった分かりやすい直接的模倣が取り上げられがちですが、ここではアール・ヌーヴォーに至る時代の、日本的なものとはなにかという欧米の解釈、アプローチの違い、変化に焦点を当てているようです。すなわち、比較的単純な絵付けの模倣から、扱われるモチーフの模倣、様式的な模倣、器の形態の模倣、装飾技法の模倣、そしてそれらの混交などです。

たとえば技法の模倣としては日本の陶器の釉薬流し掛けを彷彿とさせるものとか。


| Herman August Kähler, 1900 & before 1898 |

装飾技法としては蒔絵的表現のガラス器とか。


| Daum Brothers, c.1925-30 |

まるで有線七宝のような装飾の陶器もあります。


| Zsolnay Factory, before 1896 |

瓢箪の形も日本からの影響ですね。


| Zsolnay Factory, c.1900 |

この作品など、わびさびまでも感じるなあ、と思ったら、器は17世紀の日本、瀬戸のもので、フランスで金属のマウントが施されているのでした。


| ornamental vessel, c.1899-1900 |

❖ ❖ ❖

ヘレンドというとジャポニスムというよりシノワズリ、マンダリンのイメージでしたが、このような作品もあるとは驚きです。


| Jenö Farkasházy-Fischer, Herendi Porcelain Factory, c1900. |

この作品の作者イエネー・ファルカシュハージ=フィッシェル(Jenö Farkasházy-Fischer, 1863-1926*)は1896年からヘレンドの経営を引き継いだ人物。経営者でもあり、作陶家でもあり、陶磁史研究者でもあり、当時衰退していたヘレンド製陶所を建て直した人物です。

* 2018年に汐留ミュージアムで開催されたヘレンド展図録およびwikipedia(ハンガリー版)ではイエネーは1861年生まれとされていますね。本展図録、そしてヘレンドのホームページでは1863年生まれ。さて。

❖ ❖ ❖

動植物への視線にも、日本の美術工芸が影響しているとの解説。


| shiodome museum | oct. 2021 |

なるほど。


|Zsolnay Factory, 1908 |

メインビジュアルにも用いられているティファニーの花器。


| Louis Comfort Tifferny, before 1898 |

孔雀の羽根の文様が美しすぎる。


| Louis Comfort Tifferny, before 1898 |

❖ ❖ ❖

ジョルナイ工房の作品キャプションに「エオシン彩」という言葉が頻出しています。解説によると「エオシン彩」とはジョルナイ工房のラスター彩のこと。ジョルナイ工房の銅ラスター彩が金属光沢のある赤色で暁の太陽の色に似ていたことからギリシア神話の曙の女神エオスEosにちなんだ命名だとか。

ラスター彩(エオシン彩)の器と、ティファニーのガラスと、キャプションを見ないと素材感の違いがよく分かりませんね。いや、私の目が節穴なだけか?


| shiodome museum | oct. 2021 |

ルイス・コンフォート・ティファニー。


| Louis Comfort Tifferny, c. 1913 |

ジョルナイ工房。


| Zsolnay Factory, 1898 |

❖ ❖ ❖

第1章から第3章まではアール・ヌーヴォーに見られるジャポニスムの影響。第4章の装飾陶板はそれまでの文脈からするとやや異質な印象を受けます。1900年パリ万博のビゴ・パビリオンの建築装飾の一部ということなので、まあアール・ヌーヴォーなのでしょう。


| Bigot & Cie, 1898-1900 |


| Bigot & Cie, 1898-1900  |

ビゴ・パビリオンとは、フランス中部ロワール=エ=シェール県メールにあるアレクサンドル・ビゴの陶器製造所で制作された建築用陶器製品を陳列紹介するために万博会場内に建てられた建築インスタレーション。万博でグランプリを受賞した後にブダペスト国立工芸美術館館長によって買い上げられたと。そして収集後はほとんど展示されることなく1980年代まで博物館の地下に仕舞われたまま、忘れ去られていたそう。

ビゴ・パビリオンの装飾陶板。アール・デコ的な印象も受けます。


| Bigot & Cie, 1898-1900  |

❖ ❖ ❖

第5章はドイツ語圏のアール・ヌーヴォーであるユーゲントシュテール。ベルギー、フランスの植物的アール・ヌーヴォーに対して、ユーゲントシュテールは「幾何学的アール・ヌーヴォー」と分類されるのですね。このセクションでは、アール・ヌーヴォー、ユーゲントシュテール、分離派、そしてモダニズムへの流れが見て取れます。


| Villeroy & Boch, 1903 & c.1906 |

❖ ❖ ❖

第6章はアール・デコ。ですが、アール・デコなのか、疑問を感じなくもありません。


| Daum Brothers, c. 1910 |

確かに時代的には1920年代前後なのですが、「アール・デコ」は1920年代30年代のデザイン様式をくくるために1960年頃に用いられるようになった言葉、定義であり、同時代のデザイン運動ではありませんので、それ以前から仕事をしているガレ(&ガレ工房)にしてもドームにしてもラリックにしても、未だアール・ヌーヴォーの表現が残っていてもおかしくはありません。

❖ ❖ ❖

日本の美術工芸の欧米への影響を、ブダペスト工芸美術館の所蔵品で見るわけですが、その影響関係は解説テキストで示されるだけで、相当する日本の工芸品が展示されているわけではないのでやや抽象的。もちろん影響のかたちは直接的とは限らないので難しいですね。もっともそんなことは関係なく、ただ美しい工芸品を見るだけでも十分な展覧会なのですが、日本工芸の知識があると、欧米でのその受容の様相がよりよく理解できることでしょう。

❖ ❖ ❖

ブダペスト国立工芸美術館は日本の美術工芸品を積極的に収集してきたとプレスリリースには書かれていましたが、美術館のDBをざっと見た限り、ジャポニスムはあっても日本の工芸品がヒットしません。探し方が悪いのかな。ひょっとしてハンガリー語で検索しないといけない?

追記:ハンガリーの東洋美術コレクションはフェレンツ・ホップ東洋美術館(Ferenc Hopp Museum of Eastern Asiatic Arts)に所蔵されているようですね。
ハンガリーにおける日本の美術・工芸品コレクションの歴史については、こちらのペーパーが参考になりそうです。
→ 「フェレンツ・ホップ東洋美術館における日本美術(日文研叢書第6集、1995、vi-xi)」 (PDF)
このウェブログ記事の最後で触れたオットー・フェッティク博士コレクションについても書かれています。

『日文研叢書第6集 フェレンツ・ホップ東洋美術館所蔵 日本美術品図録』目次へのリンクはこちら
版画、絵画、陶磁器、漆器、彫刻、古写真などが画像付きで掲載されています。根付についてはテキストによるデータのみ。

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| from wikipedia |

ブダペスト国立工芸美術館(Museum of Applied Art, Budapest)は2022年の開館150年を前に、目下改修工事中。ゆえの地方巡回のようです。

ところで英文表記「Museum of Applied Art, Budapest」を「応用美術博物館」ではなくて「工芸美術館」とするのは慣用でしょうか。wikipedia日本語版では「ブダペスト応用美術館」となっています。
ハンガリー語では「Iparművészeti Múzeum」。
「Iparművészeti」は英語で「Applied Art」なので「応用美術」。

なお金沢の「国立工芸館」の英文名称は「National Crafts Museum」です。

Museum of Applied Art, Budapestには工芸品ばかりでなく、印刷物、書籍、現代デザインのコレクションもありますので、Applied Art全般の博物館でしょう。そして国名はハンガリーなので、「国立ブダペスト応用美術博物館」が適切なのでは、と思いました。

調べてみると、2019年に国立新美術館で開催された展覧会のタイトルには「ブダペスト国立西洋美術館」でした。これ、美術館のハンガリー語名称は「Szépművészeti Múzeum」で、英文名称は「Museum of Fine Arts, Budapest」。ところでハンガリーって西洋なんですかね。少なくとも西欧ではないですよね。

ちなみに上野の国立西洋美術館の英文名称は「The National Museum of Western Art」。

他にも「Helend Porcelain Factory」はなぜ「ヘレンド磁器製造所」ではなくて「ヘレンド製陶所」なのか。「Zsolnay Factory」は「ジョルナイ工房」でなくて「ジョルナイ陶磁器製造所」なのか。「Saint-Denis Factory」は「サン=ドニ工房」、「Rörstrand Porcealin Factory」は「ロールストランド磁器製造所」、「Teplice-Trnovany Factory」は「テブリツェ=ツルノヴァニ製陶所」と訳されているではないですか。「製陶所」「陶磁器製造所」「磁器製造所」「工房」はどのように訳し分けられているのか。「Faience Factory」を「製陶所」と訳しているのは、ファイアンスは陶器だから納得。しかし「Workshop」を「製陶所」と訳している場所もある。うーむ奥が深い。

❖ ❖ ❖

この展覧会、コレクションのすばらしさ美しさは言うまでもありませんが、展示、特に照明が素晴らしい。照明は灯工舎・藤原工さん。作品の背後にも光を入れるのは、汐留美術館の工芸品展の定番。


| shiodome museum | oct. 2021 |


| shiodome museum | oct. 2021 |


| shiodome museum | oct. 2021 |


| shiodome museum | oct. 2021 |


| shiodome museum | oct. 2021 |

他の巡回館をみていませんが、汐留会場が作品を最も美しく見せていると断言します。

❖ ❖ ❖

図録。なかなかよい出来です。


| shiodome museum | oct. 2021 |

A5判と、サイズは大きくありませんが、写真は鮮明、印刷は高精細、そしてすべてではありませんがクローズアップ写真もあって、デテールも見ることができます。コレクションの由来、作家や工房、技法の解説も充実。これは買いです。
❖ ❖ ❖

ブダペスト国立工芸美術館所蔵のアール・ヌーヴォー作品の多くは同時代の万国博覧会などで蒐集されたもののようですが、今回の展覧会に出品されているガラス器、陶磁器の3分の2以上が1948年に獣医大学のオットー・フェッティク博士(1871-1954)によって工芸美術館に寄贈されたものだそうです。工芸美術館のフェッティクコレクションは1500点以上に上るとか(図録、23-24頁)。

2021年4月4日日曜日

SOMPO美術館:生誕150年記念 モンドリアン展
純粋な絵画をもとめて


生誕150年記念 モンドリアン展 
純粋な絵画をもとめて

2021年3月23日〜6月6日
SOMPO美術館

モンドリアン(1872-1944)生誕150年を記念して、オランダのデン・ハーグ美術館所蔵のモンドリアン作品50点、国内外美術館所蔵のモンドリアン作品と関連作家作品約20点を展示します。モンドリアン作品は、初期のハーグ派様式の風景画、象徴主義や神智学に傾倒した作品、キュビスムの影響を受けて独自展開した作品、晩年の水平垂直線と原色平面の「コンポジション」まで多岐にわたります。モンドリアンが主張した理念「新造形主義」に基づき、ドゥースブルフなどの画家、建築家と共に1917年に「デ・ステイル」が結成され雑誌が創刊されました。モンドリアンの絵画構成は、デザイン領域まで影響を与えています。「デ・ステイル」のプロダクトデザインを合わせて紹介し、モンドリアン芸術の広がりを再検証します。日本で23年ぶりの待望の「モンドリアン展」です。

https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2020/mondrian/



| sompo museum | march 2021 |

※ 写真は内覧会にて撮影 ※

デ・ステイル関係、デザインの作品もあるとのことでしたが、リートフェルトの椅子5点。ドゥースブルフの油彩2点程度。


| sompo museum | march 2021 |

デザインの作品もある、というのは巡回先が豊田市美だからでしょうか(椅子は豊田市美コレクション)。

モンドリアンはコンポジション以前の作品が中心の展覧会です。


| sompo museum | march 2021 |

コンポジションの作品は僅かなので、このポスター、チラシはややミスリーディングなのですが、だからといってメインの作品群、風景画を広報に使っても「誰?」ってなりそう。
❖ ❖ ❖

3階ではリートフェルトの《シュレーダー邸》(1924)の映像がループで流れていて、これがなかなか素敵です。

下の映像は展覧会会場のものとは違いますが、写っているのは同じ人のように思われます。

❖ ❖ ❖

日本でのモンドリアン受容史を語る書籍や雑誌記事などの展示ケースもあります。しかしこれは図録のテキスト(五十嵐卓「モンドリアンと日本」)と合わせて見なければなんのこと?ですね。少しもったいない。


| sompo museum | march 2021 |

なおこの資料ガラスケースの片隅にモンドリアンルックの人形(たぶんプチブライス)やリートフェルトの椅子のミニチュアがあったりするのはご愛敬。


| sompo museum | march 2021 |


| sompo museum | march 2021 |

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面白いなあと思ったのは作品の額縁です。


| sompo museum | march 2021 |

コンポジションはもちろん、それ以前の作品でも額がとてもシンプル。


| sompo museum | march 2021 |

これは最初からそうなのでしょうか。


| sompo museum | march 2021 |

額ごと、一回り大きなケースに入って展示されているものもあるので、おそらくそうなのでしょう。


| sompo museum | march 2021 |

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豊田市美術館所蔵のリートフェルトの《ジグザグ・チェア》は1940年制作のもの。


| sompo museum | march 2021 |

座面と脚部分はボルト・ナットで留められているんですね。


| sompo museum | march 2021 |


| sompo museum | march 2021 |

こちらは3階フォトスポットに置かれている《ジグザグ・チェア》。
リプロダクションだと思います。


| sompo museum | march 2021 |

1940年制作のものと比べると、板がかなり厚手、接合部も相当丈夫そうです。ここで座って写真を撮ることができます。
丈夫な代わりに、オリジナルのあの軽やかさ、本当に座って大丈夫なのかという不安な印象が失われているように感じます。

下は埼玉県立近代美術館のジグザグチェア。こちらのほうが薄手。


| momas | oct. 2020 |


写真を見直していて気がついたのですが、フォトスポットにモンドリアン作品がひとつもない……


| sompo museum | march 2021 |